中津賀国次さんの個人大賞

以前つくったWebサイト本の記憶での企画「個人大賞」に頂いた投稿を転載致します。

【個人大賞とは】あなたにとって「一番」の本は何ですか。皆がそれぞれ一番お気に入りの本を一冊ずつ持ち寄ったら、きっと素敵な場所ができあがるはずです。個人大賞はそんな「一番」の集う場所。実名制です。

『われ笑う、ゆえにわれあり』(土屋賢二)

われ笑う、ゆえにわれあり (文春文庫)

哲学、という言葉を聞いて、みなさんはどのようなことを思い浮かべるのだろう。ソクラテスだったりプラトンだったり、はたまたカントかデカルトか、ショーペンハウエル大先生かと、堅いカタカナの名前ばかりが出てきて、よほどの変な思春期を送っていない限り(私は送っていたけれどw)、少し硬いイメージを持つかもしれない。

では、笑い、と哲学、それに東大、とか文学部教授とか、はたまた女子大の教授なんていう単語も混ぜてみようか。そうするとどうだろう。急に柔らかい、というよりどちらかというと皆さんは違和感を持ってしまうだろう。

実は、この土屋賢二という作家、いや、大学教授、いや、大法螺吹きは、そんな哲学と笑いという未だ見たことのないブレンドを、週刊文春という見たことのある雑誌でやってのける、すごく変わった人なのである。

『論理を使った禁煙法』、『カツカレーダイエット』、そして『女に叱られないで生活するにはどうすればよいか』など、ツチヤ先生の「そんな訳ないだろ、ハハハハ」としか思えない詭弁の数々を笑い飛ばしていると、ふっと「もしかしたら僕たちが生きているこの今の考え方の方が間違っているのかもしれない。」という疑いが芽生え、最後には何故か「テツガク」させられてしまう驚異の一冊。

まずは一冊買って笑ってみてください。いや、読まなくてもいいから買ってください。どちらかというと僕がこんな本を読んでいると皆さんに知られたくないから、黙って店のレジに出してそのまま家で鍋敷きにしてください!

何も考えずに笑って読めるのに、笑った後にすっかり考え込んで、次のツチヤワールドを追いかけ、気が付くとあなたもすっかり気分は哲学者に!とある哲学者と理解のない助手と、毒殺しようとする恐怖の妻との衝撃の戦いを綴った2Dスペクタクルバトル!!眠い夜におすすめです。(よく眠れるから)

(この紹介文の内容は、すべて本文に出てきます。信じられないと思いますが、そういう本です。)

(中津賀国次/20代/大学生)
2013年5月20日