以前つくったWebサイト本の記憶での企画「個人大賞」に頂いた投稿を転載致します。
【個人大賞とは】あなたにとって「一番」の本は何ですか。皆がそれぞれ一番お気に入りの本を一冊ずつ持ち寄ったら、きっと素敵な場所ができあがるはずです。個人大賞はそんな「一番」の集う場所。実名制です。
『これからの「正義」の話をしよう』(マイケル・サンデル)
正義とは何か。
日本人はあんまり”正義とは?”とか哲学的なことを日常で話すことは少ないけどこの本では個人の権利がどこまで優先されるか、そしてどんな時に政府が個人の自由に介入できるのかといった哲学的な問題が投げかけられる。
徴兵制、代理出産、中絶、同性婚、アファーマティブ・アクションなど日本ではあまり議論にはならないことがこの本にはいろいろ書かれている。この本の魅力はある事に対して賛成側・否定側の両方の視点から書かれていることである。普通の本であれば著者の意見のみが書かれているが一方的な視点で終わってしまう。マイケル・サンデルはあえて自分の意見を言わずいろんな人の考え方を紹介し何が一番正しいかは読者に任せる。これが読んでるほうとしては楽しい。特に哲学的な問題は完全に正しいという答えがないから人それぞれ意見が異なってくる。いろいろな意味でこの本は頭を刺激して多面的な物事の見方を提供してくれる。
物事を考えることが好きな人に最高の一冊!!
(佐藤真央也/20代/大学生)
2013年5月13日